シーサー教室の講師
陶芸の工房に入って、初めて一日体験シーサー教室の講師をさせられたのは、入門して2週間目の事だった。来週からは講師もやってもらうから・・・と先生の口から聞いた時は聞き間違えかと思った。
私は必死で人に教える為のシーサーの作り方をメモを取って、自分一人で出来る様に何回も同じ物を作って何とか、メモを見ながら人に作り方を教えるまでになった。
初めてのお客さんは、すごくいい人だった。私は必死でまだ入門して2週間しか経っていない事をばれない様に、ばれない様に取りつくろって教えたので、その必死さが伝わって、丁寧に教えた為か、「今ではこんなシーサーの講師までされてねぇ・・・」とのとんでもないお言葉を頂いてしまった。しかもその時は、「先生」とまで呼ばれた^^;まだ入門して2週間しか経っていない事はばれなくて、満足して帰ってもらえた様に思う。今思えば、それ以来何度も講師の仕事をしたが、この日、教えた人達に対して、一番いい仕事が出来たのではないかと思う。私自身の技術や知識は未熟でも、一生懸命に教えたらその熱意は伝わる物なのかもしれないし、何より自分が出来ないから、生徒さんの気持ちも分かって教える事が出来たのかもしれない。
私はこのシーサー教室の講師の仕事が大好きだった。順番で教えていたが、その順番が回って来るのが楽しみで仕方なかった。何故、楽しかったと言うと、普段は伝統的なシーサーを作っていたが、この講師の仕事の時は、人に教えながらでも、自分のオリジナル作品が作れる時間が出来るからだ。
でも、そんな気持ちで講師はやってはいけなかったと思う。ただあの時は、自分のオリジナル作品が作れる時間が密かに嬉しくて仕方なかった。素人さんに教えるのはすごく楽しい。生徒さんのほとんどは技術や知識がないので、その作品は斬新な物ばかり。私はいつも生徒さんの作品から何かいいアイデアがないか模索しながら作っていた。生徒さんからはすごくいいアイデアと刺激をもらったと思う。
一番年下の子で、4歳ぐらいの子供も参加していた。小学生の男の子で、プロ顔負けのものすごく立派なシーサーを作った子もいた。
このシーサーは、作り方は伝統的なシーサーに比べてとても単純で簡単。作り方さえ教えれば誰でも形になる。
両方とも、シーサー教室の講師をしながら、人に教えながら作った作品。
特に左の作品は、7人ぐらいの小学生を相手に作ったので、さすがに教えるので必死で集中出来なかったが、思いがけず可愛らしいシーサーが出来上がったので、気に入って持って帰ってきた。
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