沖縄からのその後・・・

川島陽子 ・ ひだまりみかん

2007年02月10日 14:27

沖縄から実家に帰って来た私はまるでぬけがらの様になっていた。何もする気がせず、ただ、毎日毎日音楽を聴いて、あの版画家の絵を何枚も部屋に飾って素敵だなぁと思いながら日々を過ごしていた。
音楽は、沖縄出身の私と同じ年ぐらいの女性の歌手、一人の人の音楽しか聴かなかった。毎日毎日その人の音楽ばかり聴いていて、最初は歌詞の意味など考えなかったけど、それを毎日聴いているうちに、だんだん難解な歌詞の意味も分かるようになって来た・・・。
たまに漆喰や陶芸で雑貨を作ってはいた物の、その出来映えはあまりにも目に余る雑で下手な、イライラするような出来映えだった。
私があまりにだらだらとしているので、見かねた父が「少しでもいいから外に出なさい」と言って、それで仕方なく今の職場に行く事になった。
最初は嫌でたまらなかった。でもだんだんとその職場で人の優しさに触れ、仕事が嫌でなくなって来た・・・。
そんな時、街でとても素敵な色合いのストロベリー色の貝殻を見つけた。これを何かに使いたいなぁと思って、それで完成したのがやどかりくん。
沖縄から帰ってほとんど作品は作っていなかったのに、練習もせず、試行錯誤もせず、いつの間にか不思議と腕は上がっていた。 
多分、自分が無意識に聴いていた本当に素晴らしいと思える音楽・版画を見たり聴いたりしているうちに、大切な物を思い出し、知らず知らずのうちに感性が磨かれた気がする。
それを思い出させてくれた場所が今の職場。
    
         

関連記事