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2007年01月09日

シーサー職人として食べて行く事

私が漆喰シーサーに転向した時に、ある有名なシーサー職人さんと話をする事が出来た。その人が言うには、「シーサーを作って食べて行くには、本当に好きか、これしか出来ないか、両方無いと絶対にやっていけない、それぐらい厳しい世界だ」と何度も言われた。正直、私はその時それを聞いて「これから希望に満ちて新しい事をやろうとしている人に対して、希望がなくなるような、何て事を言うんだろう・・」とちょっと反感を感じたが、今となってはその言葉の意味がよく理解出来る。
私はシーサーが好きだ、それには当てはまっている。けれども、見るのが好きであって、作るのが本当に好きだと言われれば自信がないし、「これしか出来ない・・・」これには当てはまらなかった・・・9年ぐらい事務の仕事をしていたので、こんな苦労をしなくても、もっともっと簡単に、楽に稼げる方法を知ってしまっていた。
シーサー作りは楽しい。けれども、それは遊びで作っている場合だけ楽しい。同じ物を何個も何個も、店からの注文だからと言って作るのは、私にとって苦痛でしかなかった。
そんな気持ちでシーサーを作っていたら、作品の質がどんどん落ちてきた。
私の作品は小さい物が多いので、月に10万円稼ごうと思ったら、100個は作らないといけない、それを毎月継続して注文を取る事なんてかなり難しいのに、作るのはもっともっと難しい。
当時の私は作品に対してあまりに細かい事にこだわりすぎていたと言う事もあって、2週間かけて必死で作った作品の利益が15000円にも満たない金額だったと言う事もあったし、それでも店から散々文句を言われた。
そんな事が色々と重なって、もう、シーサー一筋で食べて行こうと言う考えは捨てる事にした。


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Posted by みかんちゃん at 10:54│Comments(4)漆喰修行
この記事へのコメント
分かる気がするなー
自分が作りたい物と、買ってくださる方の求めている物が必ずしも一致するとは限らないから、お金を優先すると、どうしても楽しくなくなってしまうよね。
すっごく作る時に気合入れたものでも、全然売れなかったり。
でも、こういう経験がなければ気付かなかったことだよね。
Posted by れんこん at 2007年01月10日 06:52
れんこんさん
 
物を作っている人のほとんどの人はもうかっていないと思います。
特別な運と才能を持っているごく一部の人は別ですが・・・
私は店員をやった事がないので、店側の苦労は分かりませんが、ただ売っているだけの事と、作っている人の取り分がほとんど同じと言う仕組みそのものがおかしいと思います。
Posted by たいよう at 2007年01月10日 20:55
こんにちは ☆

私は書道界で同じことを感じました

筆では食べていけないし、裏の世界が見えてくると純粋な字が書けなくなってしまうのです

お金を儲けようと思って書いた字なんて人にみせられないぐらい酷い字なんです

だから今はその流派を辞めて自由にのびのびと書いています(^-^)v
Posted by †ジャンヌダルク† at 2007年01月12日 13:51
ジャンヌダルクさん
 
こんにちは。
ジャンヌダルクさんも創作されている方なんですね。
作品の写真みたいです。ブログには掲載されてますか?
書道も厳しそうな世界ですね・・・私は昔少し習字を習っていたのですが、習字で習う字と自分の書きたい字は違いました。
今、よく筆で字を練習してるんですが、もっと納得のいく字が書けるようになりたいです。でも習字をまた習って、型にはまった字を習うのは嫌なので、自己流で何とかやってみたいと思っています・・これもあくまで趣味なんですけどね・・^^;自由にのびのびと書けたらいいですね・・・自由な字ってすごく人を惹きつけると思います。
Posted by たいよう at 2007年01月12日 16:25
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